5年前の東日本大震災、4月の熊本地震など、大きな災害が起こる度に「災害時にペットはどうするの?」という議論が起こります。そこで、今回は災害時のペット対策について記します。
防災拠点は、あくまでも人が避難してくることを第一に想定しています。このことは、ペットが同一エリアにいる事を必ずしも歓迎していないことを頭に入れておかなければいけません。
つまり、
であることを意味します。
では、なぜ人の避難場所になっているところに連れて行ってはいけないのか?
これは、アレルギーなどの理由で同一空間に容れない方を含め動物が苦手な人がいます。つまり、指定されたペットの避難場所で飼育・管理することが大切になります。各避難場所の現状は、ブルーシートで四方を覆ったテント内にケージを置き、その中に入れる。もしくは、校庭の片隅に繋留する形になっています。
この状態は、多くのペットの飼い主は驚きます。しかし、あくまでも、先ほどお話したように人の避難を第一に考えているため防災拠点の活動されている方々には精一杯の状態です。
そこで、動物の避難場所を管理するのは飼い主本人ということになります。
防災拠点の方々にして頂けるのは、受付までです。その先は、飼い主本人が管理することになります。しかし、1組1組がばらばらに世話をしていては、混乱してしまうことは容易に想像が出来ます。そのために、ペットの避難場所全体を管理する人が必要になります。つまり災害拠点内で、飼い主の会といったものが必要になります。この飼い主の会といったものが、普段からあると動物の避難場所の充実につながって行く可能性があると思います。
大まかに4つに大別して記しました。
これらのものはいつでも避難袋等に保管できる状態にしておくことが大事です。また、動物を運搬やその中で管理するためのケージが必要です。
集団生活の中で、しかも限られた空間で生活するので重要です。 犬の場合は、
猫の場合は、
以上のことが、出来るように日頃から意識しましょう。
実は、動物の個体ばかりではなく周りの動物のため、また同じ避難場所に避難している人の為にも非常に重要です。 人と動物の為には、ノミ・ダニの予防を行い、定期的な便の検査を受ける。また、犬では狂犬病予防注射を法律にのっとりきちんと受けることが重要です。 動物の為には、必要な予防注射を受け、犬ではフィラリア症予防をきちんと行なうことが大事です。 これらの健康管理を行なうことにより、動物の方から避難場所の環境を悪化させないことにつながります。
迷子札をつけることや、犬では、鑑札・狂犬病予防注射済票をつけておくことが対策となりますが、災害時に一番有効な確認手段になると考えられているのが動物にマイクロチップを挿入することです。
マイクロチップとは、直径2mm長さ12mm程度の円筒形で、動物の頚部皮下に専用注射器で挿入します。このチップには、15桁の番号が記録され、マイクロチップリーダーでその番号を読み取ることが出来ます。その番号を検索することによって飼い主が特定されます。一度挿入されれば、首輪や迷子札のように外れて落ちたりする心配はほとんど無いため、より有効な身元の確認手段になります。
ただ、挿入した後は、必ずAIPOにマイクロチップ番号や連絡先などの専用用紙にて登録手続きを行い、転居等で登録情報が変更された場合は、その都度変更手続きを行なう必要があります。
災害時は、人と同様に不安が募り、ストレスが強くかかります。また、人の気持ちの変化も敏感に感じてしまいます。このような状態が続くと体調も変化をきたし、新たに病気を引き起こしたり、持病の悪化につながる事もあります。飼い主は、一日数回は、会う時間をつくり、散歩等に連れ出すことなどリラックスさせてあげることが重要です。
旭区では、全防災拠点のうち1/3程度の拠点でペットの同行避難について話や訓練などが行なわれています。災害時には必ずペットを連れて避難してくる方々いらっしゃいますので、全拠点で同行避難訓練を経験していただき現状を理解していただくことが重要だと思います。