災害時における薬剤師の役割
旭区薬剤師会会長
藤本直樹

災害時における薬剤師の一般的役割

 災害時における薬剤師の役割として、医療チームの一員として調剤・服薬指導、医薬品の管理・仕分け、避難所等の環境衛生管理があります。医薬品の管理は災害時には外部から医療用医薬品、一般用医薬品が大量に支援物資として送られてくるため重要な業務となります。また、避難所において、他職種と連携し、うがい・手洗いの指導、薬や健康の相談を受ける等の業務を行います。

旭区における薬剤師会の役割

1.災害時医薬品の備蓄管理

 災害時医薬品は旭区では6薬局で使用期限を切らさぬよう循環させながら備蓄をしています。災害時にはその6薬局の薬剤師が医療救護拠点に医薬品を運ぶことになっています。災害時医薬品ですが、急性期、慢性期に分けられており、急性期として消炎鎮痛剤の内服・湿布剤、抗生物質などがあり、慢性期として降圧剤、糖尿病薬、喘息治療薬、総合感冒薬などがあります。医薬品の品目数は約50品目で、疾患によっては薬の無い場合もあります。そのため、ご自身が普段から継続している生活習慣病治療薬などは1週間分程度の予備を持っておくことをお勧めします。その予備分は災害時に持ち出すためのリュック等に入れて保管してください。また、医薬品にも使用期限があるので定期的に予備分と新しい薬の入れ替えをお願い致します。

2.巡回診療への参加

 災害発生時には、その程度によって医療救護隊が編成されます。医師・看護師・薬剤師・医療調整員で構成され、地域防災拠点を回って診察する巡回診療を行います。その巡回診療に先ほどご説明した災害時医薬品を持って行き、調剤・服薬指導を行います。

災害時の通信手段

 災害時には携帯電話が使えなくなることが考えられ、旭区では災害時の通信手段としてアマチュア無線を活用することになっています。災害時医薬品を管理している各薬局に1台無線機を用意しています。

災害時の会員薬局について

 災害時医薬品を備蓄・管理している薬局以外の会員薬局は、本人・家族等の無事を最優先し、その後、薬局が開局できる状態であれば原則開局します。開局はできないが薬局内の薬を持ち出せる場合は薬を持参し、医療救護拠点に行き巡回診療に参加します。開局できず、薬も持ち出せない場合は食料品等の必要なもののみを持って、同様に医療救護拠点に行き巡回診療に参加します。

お薬手帳について

 東日本大震災、熊本地震においてお薬手帳が非常に有用であった事が分かっています。お薬手帳が有ることにより診察をスムーズに行うことができ、また副作用歴、アレルギー歴等の記載もできるため、薬による健康被害を未然に防ぐことも可能となります。現在、来局時にお薬手帳をお持ちの患者様は以前に比べ増えましたが、それでも病院に行くとき以外は持っていない、薬が処方されると思わなかった、という事でお薬手帳をお持ちでない患者さんもいらっしゃいます。地震等の災害はいつどこで起きるか分からず、災害ではなくても、いつどこで体調が悪くなるか分かりません。そのため、お薬手帳は外出時には携帯をしてください。しかしながらお薬手帳を忘れてしまう事はありえる事なので、携帯電話でお薬手帳やお薬の写真を撮っておくのも良いと考えられます。